あたらしい保育ビジョン2030

保育園から
「地域おやこ園」へ

保育関係者が既存の制度や事業にとらわれず、
未来の保育ビジョンを共に描き、学びあい、
議論する場として活動して参ります。

4つのコンセプト

あたらしい保育イニシアチブの設立趣旨

Background of establishment

今、保育を取り巻く状況は大きく変化しています。
自治体が施設設備を結局的に進めた結果、待機児童数は昨年に続いて過去最少となり、東京23区と首都圏の政令指定都市では21年春の認可保育所の募集枠に対し、4月入所を申し込んだ人の倍率が平均1.00倍になりました。
遠くない将来、待機児童問題が解消する未来が見えてきています。
これ自体は喜ばしいことなのですが、一方で保育ニーズは地域によっても多様化しており、私たち保育事業者としては、少子化・待機児童数減少トレンドを見据えて、持つべき機能を供えられるよう準備を進めていく必要があり、待機児童以外に果たすべき役割について、もっと考えを深め、未来に向けて取り組んでいく必要があると感じております。
そんな状況を受けて、保育関係者と一緒に、新たなプロジェクト「あたらしい保育イニシアチブ」を立ち上げました。 「あたらしい保育イニシアチブ」では、保育関係者が既存の制度や事業にとらわれず、未来の保育ビジョンを共に描き、喜び合い、議論する場を作っていきます。

あたらしい保育ビジョン2030

VISION 2030

4 CONCEPT

4つのコンセプト

01

自園の子だけでなく
地域の全ての子ども達に
開かれた存在に

02

限られた子どもだけでなく
誰ひとり取り残さないように

03

地域の中にあるだけで
なく
自らコミュニティを
生み出す装置に

04

単体で存在するのではなく
ネットワークを形成する
ハブに

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19 FUNCTION

地域おやこ園が担える19の機能

私たち保育関係者が子育て支援を通じ、悩みや不安の解消を、子どもと向き合う時間の創出に取り組み、
一人一人の子育てが常に幸せと感じる社会の実現を目指すため、
今までの「保育園は保育をする」という役割から、地域と連携した様々な機能が必要になると考えています。
私たちは、あたらしい保育イニシアチブを結成し、 “あたらしい保育ビジョン2030” として
『保育園から「地域おやこ園」へ』という4つのコンセプトをはじめとする子育て支援ビジョンを掲げました。
このビジョンの実現を目指すためには、以下の地域的な19の支援機能を必要とします。

01

保育園バス/
送迎ステーション事業

02

一時保育

03

病児保育

04

障害児(医療的ケア児)
保育

05

ショートステイ

06

多文化保育
(外国籍児童対応保育)

07

アウトリーチ
(要支援家庭等への訪問支援)

08

保護者の就労訓練・支援

09

相談支援/
保育ソーシャルワーク

10

夜間保育

11

ほいくえん子ども食堂

12

園内での児童発達支援事業
・放課後等デイ事業

13

コミュニティスペース

14

ひろば

15

産後ケア

16

訪問保育/子育てヘルパー

17

子どもの権利についての
発信/アドボカシー

18

包括的性教育・市民教育等

19

子ども版ケアマネの配置

CHANGE 5 SYSTEMS

変えるべき5つの制度

私たち、あたらしい保育イニシアチブが掲げる “あたらしい保育ビジョン2030” の
『保育園から「地域おやこ園」へ』というビジョンを支える19の機能の実現には、現在大きな壁があります。
それは、「保育の必要性認定」であったり、「施設の目的外使用禁止」であったりする、
保育関係者が地域へ向けて支援する多様性を許さない国の決まりです。
また、様々な制度問題があります。
私たちは、それらの廃止・撤廃を訴え
必要な制度について議論していく必要があります。

01

「保育の必要性認定を廃止」し、
全ての子どものための施設に

02

「施設の目的外使用禁止」を撤廃し、
様々な福祉を実践できるように

03

機動的ではない地域子ども子育て
支援事業とは別枠の、
「東京都保育サービス推進加算の
全国版」を創設

04

小規模保育S型と特区小規模保育の
全国化で、人口減少にも対応

05

保育士の多様な働き方を
許容していく
(例:週4勤務でも処遇改善の算定
要件に加える等)

今後の保育のあり方

4 concepts details

遠くない将来に見える、待機児童問題が解消する未来に向けて、子どもが幸せと感じられる社会を作るため、
私たち、あたらしい保育イニシアチブは、保育事業者として、準備していくべきと考えています。
“あたらしい保育ビジョン2030” の『保育園から「地域おやこ園」へ』という4つのコンセプトは
保育事業という枠を超えて子育てが常に幸せだと感じられる社会環境の実現を目指します。

CONCEPT 01

自園の子だけでなく、
地域の全ての子ども達に開かれた存在に

自園の子どもだけを保育する従来の保育園の形から、在宅子育て家庭の子どもを含め、地域の全ての子ども達が、多様な通い方をしながら通える場に

CONCEPT 02

限られた子どもだけでなく、
誰ひとり取り残さないように

ともすれば健康で健常な子ども達が通う場であった従来の保育園の形から、慢性疾患児や医療的ケア児等をも包摂する。さらには休日や夜間等、スタンダードな働き方から外れた場合でも、取りこぼされないようになる

CONCEPT 03

地域の中にあるだけでなく、
自らコミュニティを生み出す装置に

地域の「中に」存在していた保育園から、ママ友コミュニティや父親会、地域の子ども達を招いた「ほいくえん子ども食堂」等の実施によって、積極的にコミュニティを生み出し、孤立した子育て家庭、「孤育て」を防止していく。保護者は支援される側であるのみならず、参画・貢献し、コミュニティを生み出す側にもなっていく

CONCEPT 04

単体で存在するのではなく、
ネットワークを形成するハブに

保育園単体で機能していた旧来の在り方から、ネットワークとして機能する存在に。例えば、週3日は保育園、週2日は療育施設、というような利用の仕方を積極的にできるよう、保育園・児童発達支援事業所・訪問看護ステーションがネットワークを組んでいく。夜間保育園と一般保育園が時間帯ごとに子どもをシェアして支えていくことも自由にできる。子どもが熱を出したら病児保育室から看護師が保育園に迎えにいき、病児保育室で保護者の帰りを待つこともできる

開催イベント情報

Event information

あたらしい保育イニシアチブは、既存の制度や事業にとらわれず、未来の保育ビジョンを共に描き、学びあい、議論する場をつくっていきます。
みなさまのご理解とご参加をお待ちしています。

2023年9月10日

あたらしい保育イニシアチブ2023であなたの園のドキュメンテーションを展示しませんか?

場所 東京大学本郷キャンバス安田講堂回廊
テーマ 本展示では、それぞれの園で生まれている子どもたちの様々な学びの姿を展示します。
対象者 ◉募集園数 ・20園程度を予定(先着順) ・多数の申し込みがあった場合、同一法人内からの複数応募については、限定させて頂く場合があります。
イベント趣旨
現場にいる保育士だからこそ見えるもの、気付くものがたくさんあると思いますが、それを多くの来場者に共感してもらうためにドキュメンテーションという形式で安田講堂の回廊部分に展示します。 できるだけ多くの園の取り組みを紹介したいと思いますので、面白い事例がある!、普段の様子を伝えたい!など各園のご参加をお待ちしています。
今回展示したいドキュメンテーションとは? ・単なる活動の羅列や紹介(何をしたか)ではなく、子どもの探究や内面の動きを、写真や言葉でプロセスとして読み取り、保育者の視点と言葉で表現したもの
展示するドキュメンテーションの仕様 ・サイズ:幅800mm×高さ1500mm ・各園の展示枚数:2枚まで ・印刷方法、素材の指定などは申込後詳細をお伝えします。 ・印刷代は1枚3000円前後、印刷代、送料等は自己負担でお願いします。 ・印刷物以外にも展示したいもの(子どもの作品や動画資料など)がある場合は別途ご相談ください。
募集園数 ・20園程度を予定(先着順) ・多数の申し込みがあった場合、同一法人内からの複数応募については、限定させて頂く場合があります。
応募〆切 ・7月末

2023年9月10日(日)9:30~18:00

あたらしい保育イニシアチブ2023in東大本郷キャンバス

場所 東京大学 本郷キャンバス
テーマ 新しい保育のカタチを考える。
対象者 保育園など運営をする責任者等
イベント趣旨
初開催にもかかわらず、1,100名の参加者が集った「あたらしい保育イニシアチブ2022」。 その熱気をそのままに、2023も東京大学で開催します。
いま私たちは、急激な少子化やChatGPTの出現など、想像を超える変化の入り口に立っているのではないでしょうか。私たちがいる保育業界も、時代に合わせて変化していかなければなりません。
そしてその変化は、受け身ではなく、自分たちで主体的・主導的に創り出すことが重要です。 だからこそ、時代を先取りする多様なテーマで、あたらしい保育について対話したい。 子どもたちや未来の保育について感度高く考える人たちが集い、力強い表現で意見交換ができる場をつくりたいと思っています。

2022年8月21日(日)9:30-18:00

あたらしい保育イニシアチブ2022

場所 東京大学 本郷キャンパス
テーマ あたらしい保育のカタチを考える
対象者 保育園など運営をする責任者等
イベント趣旨
保育業界が大変革のターニングポイントにある今、待機児童問題解決後の保育所、幼児教育の在り方を、業界の垣根を越えて、みんなで考える。

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活動レポート

Report

あたらしい保育イニシアチブ トークセッション【大豆生田啓友×駒崎弘樹】

保育園を「多様な主体」が学び合う場に——あたらしい保育ビジョンを語る(特別対談)

あたらしい保育イニシアチブ トークセッション【大豆生田啓友×駒崎弘樹】 “ポスト待機児童”の時代を迎えて、保育者関係者が未来のビジョンを共に描き、議論していく『あたらしい保育イニシアチブ』。2021年10月、3回目のイベ...(続きを読む)

2021年6月7日(月)開催 「ポスト待機児童時代到来!〜あたらしい保育ビジョンを語る〜」

あたらしい保育イニシアチブ キックオフイベント「レポート後編」

“ポスト待機児童”時代、保育園に何ができるのか——あたらしい保育ビジョンを語る【後編】 いよいよ見えてきた“ポスト待機児童”の時代に、保育園はどうあるべきか。 2021年6月、次世代の保育ビジョンを考える『あたらしい保育...(続きを読む)

2021年6月7日(月)開催 「ポスト待機児童時代到来!〜あたらしい保育ビジョンを語る〜」

あたらしい保育イニシアチブ キックオフイベント「レポート前編」

「誰でも通える」園を目指して。今求められる保育の転換——あたらしい保育ビジョンを語る 乳幼児期の子どもの育ちや、働く保護者にさまざまな影響を与えてきた待機児童問題。2010年代、施設数が大幅に増えてもなかなか解決しなかっ...(続きを読む)

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運営主体について

Operating entity

声かけ人

雨田 武史 株式会社クオリス 代表取締役
迫田 健太郎 社会福祉法人 ChaCha Children & Co. 理事長
中西 正文 株式会社Kids Smile Project 代表取締役
野澤 道雄 社会福祉法人 光彩会 副理事長
前田 効多郎 社会福祉法人檸檬会 理事長
駒崎 弘樹 認定NPO法人 フローレンス 代表理事
上野 公嗣 BABY JOB株式会社 代表取締役
友澤 ゆみ子 NPO法人 ピッピ・親子サポートネット 理事長
中陳 亮太 NPO法人 おれんじハウス 理事長
齋藤 祐善 学校法人 正和学園 理事長

賛同者

馬木 貴浩 株式会社スーパーグラフィックス 代表取締役
久保 登子 株式会社スーパーグラフィックス